私は割とゲームに関しては新しいもの(斬新さではなく、新しい体験という意味)を求めているタイプなので、スクエニが時折「古き良きドットRPG」みたいなのをお出ししてくるのは、ドット世代とはいえそんなに好きではありませんでした。
オクトパストラベラーも無印の頃からまた古き良き系のRPGか、ぐらいの感じで眺めていたのですが、今作は信頼できる筋から「シナリオがえげつない」と勧めていただいたので興味本位で始めてみました。
そんで実際の内容なんですがま~~~~~地獄ですよ!!!!!
いやほんとに人の心なさすぎない?ドット絵だから何やってもいいと思ってない??って最初から最後までずっと言ってました。この世界絶対に住みたくねえという気持ちが圧倒的に強い。
ライフイズストレンジ2も地獄!!って最後まで叫び続けてましたが、感情の振れ幅がそれと同じ感じでした。
ストーリー自体はまだ続くみたいですが、とりあえず終章までクリアしたのでそこまでの感想書いていこうと思います。
まずはネタバレのない全体の話から。
<全体の感想>
ざっくりとした内容としては、富・権力・名声のそれぞれを極めたわるいおとなたちが各地を支配しており、それを成敗して回る(?)といった感じです。
各ルートで章ごとに分かれていて、1章ごとに別のルートも選べるようになっていますので交互にプレイできます。私は各ルート1章ずつ順番にプレイしました。
一人の「主人公」という設定がなく、プレイヤーは「旅団」という設定のパーティメンバー全員になります。
プレイヤーサイドはストーリー上喋らないので、「実質主人公は誰」というのは自分の脳内に委ねられてる感じですね。
私は一番最初のガチャで引いたメイベルをそのまま実質主人公的な感じで先頭にしています。
難易度的にはバトルがなかなか厳しく、結構辛口な印象でした。
敵の弱点を突きまくってブレイクさせないとダメージがほぼ通らないし、敵がやたら強く経験値が渋いという…ある程度レベリングは必要な感じですね。アイテムで上げることもできるけど。
まあ全滅したら石割ってコンティニューできるので富さえあれば何とかなります。富がこの世で最強です。(すぐ石を割っていた人間より)
メインストーリーはあまり長くなく、空き時間にサクッとできるのはスマホゲーならではで良かったと思います。
それでも終章クリア時点で25時間ぐらいはやってたかな。
短めだけど内容はかなり濃いので満足感が高かったです。
尺が短いシナリオにありがちな、感情が理解できなくて困惑するようなことも特にありませんでした。この短さでよく濃ゆいシナリオをまとめたなと感心してしまう。
それにしても前評判通り内容がえげつなかった。
タクティクスオウガのえげつない部分が永遠に続くみたいなシナリオでした。特に名声2章では人の心がねえ!!!!!って叫び倒しましたわよ。
常に考えられる展開の中から一番最悪のやつをバンバンぶつけてくるので、人の心がないシナリオを楽しみたいときにメチャクチャ信頼できるゲームだと思います。これからも地獄が続くのかと思うとワクワクが止まらねえ。
シナリオの詳細な感想については追記で書いていきます!
<ストーリー>
クリアした順番【権力⇒名声⇒富】に沿って感想書いていこうと思います。
◆権力ルート
終わった瞬間「Finじゃねーが!!??」って叫びました。地獄を解決するために地獄をぶつけたら無だけが残りましたみたいな終わり方。圧倒的な虚無。
冒頭からボロクソ書いてますが面白くないというわけではなく、これは虚無を味わうルートだと思います。そういう意味ではメチャクチャ味わい深いです。
特にユルゲンがどんどん追い詰められていく様は全ルート一で興奮しました。家族を人質に取られていて上司に逆らえない男、最高に好きですね。
このルートはユルゲンが最高だったのと、ヴェルノートの自業自得感が強かったので、人の心!!!!!とはあんまりなりませんでした。
このゲームの中では比較的初心者向け(?)のシナリオのような気がする。いや終わり方は一番ひどかったからどっちもどっちか。
とりあえずリンユウは狩人と幸せに暮らせよ…。
◆名声ルート
終わってみるとアア………となる、何とも言い難い良さがありましたね。構成的には一番好きかもしれない。
2章のどっちを選ぶシーンではあまりにも人の心がなさすぎて打ちひしがれたけど、ラストは救われたと言えば救われたので、人の心なかったけど心には響くシナリオでした。まさに悲劇そのものの劇作家の人生…。
Finの一枚絵が墓っていうのも墓マイラー的には高得点です。
まあ終わりは良かったものの最初からメチャクチャ怖かったです。拷問小屋の手記とか怖すぎないですかね。マジでこのゲーム詳細な描写がなければ何やってもいいと思ってない??急にホラーゲームの趣出すのやめろよ。
◆富ルート
最初からジョジョ5部じゃん!って言ってたんですがクリアしてもやっぱりジョジョ5部でした。具体的にはジョルノとブチャラティが一人二役でアバッキオは死ぬけどナランチャは生きててスピードワゴンがついてくるジョジョ5部でした。
いや心の底からこれラストに持ってきてよかったなと思いました。ここまで散々人の心がねえ!!って言いまくってきたらめっちゃ人の心あったわ。人の心がないシナリオを経てからの人の心大勝利エンドで感動もひとしおでした。
短いシナリオなのに感情移入のさせ方は巧くて、ティツィアーノの最期ではホロリと来てしまった。これが黄金の精神や………からのFinの一枚絵もメチャクチャ良かったです。これも墓かよ!って思いましたけどね。エンディングスチルの3分の2が墓て。
あとヘルミニアのインパクトがすごかった。セリフもパワーワードが多くて、3人の悪役の中で一番強烈だった。まさかこの歳になってゲロ吐いてるドット絵見させられることになると思ってなかったわ。
ヘルミニアも可哀想な過去はあるものの、自分の意思で進んで支配しているという意味では、現状誰よりも邪悪だったように思う。
特に性関連のあれこれに踏み込んでるのもこのゲームの邪悪さに輪をかけてるところがあるよね。普通のRPGでなかなかそこまで言わんということをやってしまうオクトラ大陸の覇者。そこにシビれる憧れるゥ!
◆終章
ここで終わるんかーい!!ってなりました。俺たちの戦いはこれからだエンドかよ!
とはいえもうここぐらいまでくるとプレイヤーである私もこのゲームの邪悪に身体が馴染んでいるので、まあこうなるよねという感じはありました。
むしろこの地獄がまだまだ味わえるのかと思うとありがたささえある。
今極めし者始めたばかりですが既に敵が強いので、今後はちまちま寄り道しつつ進めようと思います。
それ以外のシナリオだとクレスのキャラクエが地獄すぎてなんでえ……ってなりましたよね。キャラクエは比較的軽めと聞いていたんですが最初に手を出したのがクレスだったので地獄を見ました。クレスおじさん幸せになろうな…
そんなこんなで「どや!!もっと食うか!?」と言わんばかりに地獄をお出しし続けてくれるオクトパストラベラー大陸の覇者、地獄が好きな層にはうってつけの逸品です。
スイッチの無印の方にも興味出てきたので落ち着いたらやろうと思います。