ゲーム感想以外に何かゲームの話をしてみよう、ということでお題を募らせていただきました。もうすでにめっちゃ時間が経っていて申し訳ない限りですが、今後少しずついただいたお題の話も書いていこうと思います。
ということで、最初にいただいたお題が「真・女神転生4」についてです。
発売当初はTwitterで散々ツイートし散らかしていたものの、こうしてまとまって語る機会というのは実は初めてかもしれません。
もうすぐ10周年を迎えようとしている(!)タイトルですが、今でも大好きな一本ですのでこの機会に真4の好きなところについて改めて語っていこうと思います。
真4知らない方も読んでくれたらいいな~と思うので入口はネタバレなし、後半はネタバレありにしております。
内容的に真4無印がメインですが、無印を語る上で真4FINALの話も外せないので、後半にはFINALの話も混ざってくる点もあらかじめご了承くださいませ。
職場の同期と殴り合うRPG
確か以前も風花雪月の記事で「かつての仲間と最終的に思想の違いで対立することになる」要素が好きだということを書いたかと思います。
私がメガテンの好きなところはまさにそれで、真4が一番好きな理由はこの部分が特に濃く描かれているからです。
全体的に人間キャラとの繋がりが薄めなのが通常運転のメガテンシリーズの中で、特に人間キャラとの関係が濃く書かれているのが真4シリーズだと思っています。
真4のストーリーは、主人公とメインキャラ達がオープニングで東のミカド国の「サムライ衆」(国のエリート騎士団みたいなもの)に選ばれるところから始まります。
つまり真4の人間キャラは、いわば新卒採用された職場の同期なんですよね。
主人公の美少女フリンに加え、ワイルドな野心家ワルター、童貞清く正しいお坊ちゃんのヨナタン、気高くもかわいいお嬢様イザボー、イキりバブちゃんのナバールの愉快な5人のメンバーとともにワクワクミカドライフがスタートします。
初めての仕事からはじまり、苦楽を共にする中で時にはぶつかり合い……まあこのゲームはメガテンなので最終的にぶつかることしかないんですが、もし現代の平和な世界だったら、時にいがみ合いつつも切磋琢磨しながらうまくやっていけたんじゃないかなと思わずにはおれません。世界に翻弄されただけで、基本的にみんな良い子だものな(ワルターとヨナタンが同じ会社で働くかどうかは別の問題)
とにかくこのサムライ達にめちゃくちゃ思い入れができるほど、終盤の情緒がぐちゃぐちゃになりこのゲームは最高になると思います。
むしろ私は正直サムライ達への思い入れだけで真4の評価がねじ曲がっているんじゃないか?という自覚はさえあります。
ストーリー性が濃く、メインのキャラクターも有名声優のボイス付き、キャラ同士の楽しい掛け合いも多めでとっつきやすいので、メガテン未経験者の方が入りやすいんじゃないかと思います。
初めてのメガテンにどうぞ!!といつもしつこくおすすめしていますが、ぜひ!!初めてのメガテンに!!真・女神転生4をよろしくお願いいたします!!
⇓ここからネタバレありになります
ワルターという男
さてここから急にネタバレありで私の気が狂っていたポイントの総まとめみたいな内容でお送りしたいしていきたいと思います。
まず最初にお届けするのは私が狂っていた諸悪の根源No.1とも言えるワルターについて。
ワルターは私にとって一言で言うと好きだったけど一生価値観が理解できない元彼みたいな存在として、私の中に大きな傷跡を残した男です。
ワルターはカジュアリティーズの貧民層の出身で、メガテン的に言うと混沌を望む「カオスヒーロー」のポジションなんですが、代々カオスヒーローに該当するキャラってちょっと斜に構えた一匹狼みたいな人間が多かったと思うんですよ。
しかしワルターはカオスらしい実力主義で野心的な面を持ちつつも、性格的には明るく仲間想い。良くも悪くも身分差を嫌うため、上流階級のラグジュアリーズとケンカはするけど協力もする、という単純に人間として見るとなかなか気持ちの良い男です。
……なんですが、「安定を嫌う」というカオスの性質が、終盤のルシファーとの合体シーンで突然姿を現してきます。
忘れもしないのがこのセリフです。
「年を取ったらヨナタンみたいに守りたいものが増えると思う、そんなのは御免だ」
私が何で!!??となったのは、この「守るべきもの」ではなく「守りたいもの」という点です。
ワルターは元来情に厚い男です。きっと友達・仲間・家族は大事にしてきたし、普通に生きていたらこれからもそういった大切なものを「守りたい」と思いながら生きていくのだと思います。守りたいと思えるということは、一つの幸せの形でもあるはずです。
それを自分で理解した上で、その生き方を拒否するんですよ。何でそういうことを言う???もう一生分かり合えねえと思いました。
まあ私はどちらかというとロウ側の人間なので、どう考えても絶対に分かり合えないんですよね。私は細く長く続く安寧が欲しいよ。バーカバーカ!!
ナバールという人間
私が真4無印が好きな理由の一つにナバールの存在があります。
ナバール自体はFの方でも、というかFの方が大活躍していてそれはそれで微笑ましく見守ったものですが、やはり真4無印での世界観を象徴するかのような生き様が心に残っています。
元々ラグジュアリーズという上流階級に生まれ、何の不自由もなく立派なわがままなお坊ちゃまBOYに育ったナバール。なぜかサムライに選ばれ、最初はエリートであるサムライという地位にイキりまくっていたものの、任務で悪魔に襲われたショックで早々に引きこもりに。そのまま序盤で退場……と思いきや、忘れたころにサブクエで姿を現すんですが、このサブクエは真4の中でも特に好きなイベントです。
シナリオ中盤で東のミカド国が天使によって支配されてしまい、「悪魔にも人間にもサムライにも殺されそうになっている」という悲惨な状況から逃れるために東京まで連れて行ってほしい、とナバールが頼んできます。
この時のナバールは様々なショックから心神喪失・錯乱状態になっていて、同期だった主人公フリンの顔も覚えていない(正確には思い出すことを心が拒否しているような)状態。
心神喪失してもなお、唯一のプライドだった「ラグジュアリーズ」という言葉を何度も繰り返すナバールの姿は、この世界に翻弄され続けた人間の哀れな末路として最も印象に残ったシーンとなりました。
無印の彼の物語はここで一旦幕を閉じますが、まさか続編でマスコットキャラクターめいた緑の幽霊になり限定特典としてストラップが作られるとは一体誰が予想できたのか???
真4FINALは実質「劇場版 真・女神転生Ⅳ」
※真4Fのエンディングまでのネタバレがあります
まさかの続編、まさかのナバール続投メインキャラ化で全こまきが震撼した真4FINAL。真4を語る上でFも外せない要素の一つです。
なぜかというと、なんといっても無印ファンサがヤバすぎるラストバトルのパーティ編成です。
真4Fのラストバトルでは、Fの主人公ナナシ達のパーティに加え、無印のサムライ衆パーティの2つのパーティで戦う仕様になっています。
無印のサムライ達って、作中で一緒に旅こそしていたものの、NPCなので全員でパーティを組めたことは一度もなかったんですよ。それが道を違えてからの初集結。フリン・ワルター・ヨナタン・イザボーの4人が同じ画面に並びます。もう目頭がブチ壊れそうなほどアツい。この流れ、実質「劇場版 真・女神転生Ⅳ」と言っても過言ではありません。
しかも無印のラストで悪魔や天使と合体してグロい姿になっていたはずのワルターとヨナタンがなんかわからんけど人間に戻ってます。もはやファンサ以外の何物でもないご都合主義、本当にありがとうございます。
そもそも真4F自体が、前作で天使VS悪魔の戦いが決着した後新たな第三勢力が現れ、かつて敵対した天使・悪魔・人間が協力して立ち向かう話なのでやっぱり文脈が劇場版なんですよ。大団円EDもあるしな(片方は皆殺しEDだけど)
ナバールという人間(?)で言うと無印の未熟さが私は好きなのですが、Fでの彼の成長ぶりは、無印プレイ時に誰もが一度は思ったであろう「何でこんな奴がサムライに選ばれたんだ?」という疑問に対する一つの回答にもなっているのかもな~とか思ったりしました。
真4は私の好きな要素が詰まった作品
真4の話をしようと思うとそれこそ無限に出てくるのでこのあたりで一旦終わらせたいと思います。
何の話がしたかったのかよくわからない感じにはなってしまいましたが、とにかく真4は良いぞと言う話です。基本周回とかやらないタイプなんですが、真4は3種類のEDとバッドエンド全部回収した程度には夢中になりました。
聖地巡りにも参加させていただいたし、ワルターとナバールのなかよし絵本(?)を作ったりもしたり、ゲーマー人生の中でも特に色々と思い出深い作品です。
主要悪魔のデザインが大幅チェンジとか複雑な部分もあり、メガテニストの間では賛否が分かれる一作になってしまいましたが、私がメガテンの中でも好きな要素が特に詰まっていたなあと振り返ってみて改めて感じる次第です。