9割たのしいゲーム感想

ゲームの感想とか紹介とか、点数のないレビューみたいなもの。RPG/AVG/SLGなどをよくやる ※たまにネタバレ含みます

真・女神転生Ⅴ

秩序を崩す野村テツヤ(主人公)

地味に発売日からプレイしていた真5。一時期積みかけたりもしたものの、なんやかんやでクリアしていましたので少し遅れましたが感想をまとめました。

今作は合一神「ナホビノ」となった主人公が、「ダアト」と呼ばれる滅亡後魔界化した東京で新しい世界の創世を目指す、という真3と方向性の近いストーリーです。

従来のメガテンと比較するとフィールド探索パートが大半を占めているのが特徴で、体感8~9割ぐらいは滅びた東京を歩き回るゲームになっています。
オープンワールドではないものの、区ごとに分かれている3Dフィールドがかなり広いので、実質オープンワールド的な雰囲気があります。

なので、今作は特に「砂漠化した東京を歩き回る」という要素を気に入るかどうかが最大の分かれ目になってくると思います。

私は個人的にこのマップがキツいのとストーリー描写が少なすぎるのが原因で積みかけていたので、正直ノットフォーミーで残念な感じのゲームでした。

全体的に微妙ではあるものの面白くなかったかというとそうでもなく、「ゲームはおおむね面白いけど、ストーリーが無」が正確かも知れません。

良かったところ・微妙なところ色々あるので、それぞれについて詳しく語っていきたいと思います。

<良かった点>

■戦闘バランス

メガテンの難易度ってわりと「序盤が一番キツくて終盤はわりと楽」みたいなのが多いんですが、真5は最後まで良い意味でキツくて絶妙なゲームバランスに仕上がっていたなと感じました。

レベリングや仲魔作成、相性・スキルの見直しも重要ですし、コマンド1つずつちゃんと考えないと一瞬で逆転される、という緊張感があって特にボス戦はとても楽しかったです。

レベルの影響が大きくなっているので、レベリングガチ勢からするとレベリングすると余裕すぎて面白くないみたいな声があるようですが、私は普通に戦いながら進めていればギリギリ勝てるぐらいの調整で良かったと思います。まあ肝心のレベリングは面倒だったので一長一短ですが……。

■悪魔の連れ歩き

ぞよ?(かわいい)

今作の独自要素で、悪魔をナビゲーションとして連れて歩ける神機能です。ナビはフィールドに落ちてるアイテム(たまに敵が飛び出す)を教えてくれます。

役にも立ちますが単純に一緒に歩き回れるのでカワイイです。連れ歩ける悪魔は決まっていて、特定の場所にいる悪魔に話しかけると同行してくれるようになります。

これでなんとデカラビアさんが連れ歩けるんですが、鳴き声が暗号みたいだし金にがめついしなんか偉そうだしでメチャクチャかわいいです。正直真5の一番最高なところはデカラビアさんがかわいい、コレです。なお金をとってくるのはデカラビアさんだけです。かわいい。初回は金を払わなくても許される。かわいい。

■新規悪魔デザイン

今回も土居さんの新規悪魔が追加されていましたが、特に女の子が可愛くて良かったですね。
やっぱりメガテン=金子というファン層が今でもかなり厚い中で、新規悪魔や邪教おやじのリストラなど思い切った新世代への切り替えを頑張られているなぁと感じます。私も金子悪魔はもちろん大好きですが、新規悪魔もこのまま増やしていってほしいなぁと思いました。

<微妙だった点>

■ストーリーの肉付けが薄すぎる

周回は楽だったので一応八雲ルートとユヅルルートはクリアしました。
が、2周してもとにかく残念だったのがストーリー薄すぎ問題です。

根本の設定や本筋はメガテンらしく、かつ新しい要素も取り入れていて面白いと思うだけに、各キャラクターがどう思ってその道を選んだのかがわからないまま終わるのが本当にもったいない。

LAW的なポジションにあたる太宰イチロウだけは、あっさりしているものの一応どういう思考で選択したのかという描写はあるのでまだわかるんですが、他のメインキャラの思考が謎すぎる。

特に敦田ユヅルは本当にわからん。ツクヨミが日本を守るという選択に至るのは立場上理解できるけどユヅルはどうしたんだ?妹を守るためにも東京を守りたいのかと思ってたけど敢えて混沌化するルートを選ぶのは何故なのか?妹を守りたいというのは私の勘違いだったのか?というか妹ミヤズのことは後半全く出てこなくなるしユヅルとミヤズが兄妹である必要あったのか?などなど疑問が無限沸きです。

せっかく学園パートあるならそこで各キャラの悩みや思考をもうちょっと仕込んどくとかできたんじゃないの……?
描写の有無をさしおいても、重要なカミングアウトが棒立ちのキャラ+テキストウィンドウでさらっと流れるような場面も多々あり、もうちょっと演出をちゃんとやればまだマシだったんじゃないかな……。

さらに今作はフィールド探索の占める割合が大きいのも、ストーリーの薄さと相性が悪かったように思います。
フィールドが広い⇒次の目的地までが遠い⇒目的地に着いてもちょっとしたイベントしか起きない、の繰り返しだったので、探索時間に対してストーリーが進んでいるという感覚が全然得られず、いつまでたっても序盤のような展開を見させられているという状況でした。

具体例で言うとラフムとサホリのくだりなどですが、サブキャラが救えなかった、的な展開って序盤の終わりあたりでやるようなイベントだと思うんですよね。
「全然ストーリー進んでる感じないけど、気づいたらレベル結構上がってるし中盤なのかな……」みたいな感覚で気づいたら終盤になってたんだよな……。メガテンシリーズ、あんまりフィールド探索させない方が良いんじゃないかなぁ。

正直ストーリー的な面白さで言うとトウキョウ議事堂から東京に帰ってきて「この東京は神の奇跡で復活しただけです」って言われたあたりがピークだったわ……オッてなったじゃん……?世界設定は良いんだよな。。

■メインストーリー級の重要な内容がサブクエにある

これもメインストーリー薄い問題の一環ですが、メインシナリオで出番がないメインキャラ(一応)のイベントをサブクエでやるなと声を大にして言いたいです。

まあ何かというとミヤズとコンスのくだりですが…本当になんであれサブクエにしたの……?内容は何ならメインストーリーより良かったと思うんですが……。

あとはフィンマックールとかもせっかくのイケメン新規悪魔(CV:櫻井孝宏)としてメインストーリーで印象的に登場する割に、最後サブクエに丸投げなので何だったの???感が拭えなくてすごく勿体なかったです。

■マップが分かりづらすぎ

これが本当に最大のストレス要素です。とにかくミニマップが全然わからん。高低差が見づらい、一見繋がっているように見えるけど実際現地に行くと繋がっていないなど、マップとしての役目を全く果たしていません。このマップのせいで方向音痴はハチャメチャにタイムロスしました…特に千代田区はひどかった。ミニマップの出来と実際のマップもひどい上にアンズーが飛びまくってるし鳴き声も不快だし二度と行きたくねえ。

あとは個人的な嗜好の話ですが、世界滅亡が好きとはいえ私は世界が壊滅してスラム状態になっている程度の半滅亡状態が好きなので、完全に砂漠になっちゃった後は興味がなく退屈は退屈でした。メガテンの好きなところに現代舞台っていうところもあるので、もうちょっと文明の影が残っていてほしい。
ガチ滅亡後の東京砂漠で迷いたいという人には楽しいのかもしれないですね。

全体的に急に強い敵が出てきたり、マップが意味不明だったりといった「オープンワールドゲーにあるような理不尽さがあるのにオープンワールドではない」という部分がストレスに繋がっていたような気がします。

 

こうやって書き出してみると文句ばっかりになってしまいましたね。本当にストーリーが無すぎたせいでモチベーションが全然上がらず、途中からクリアしなきゃ……と義務みたいになってしまったのが我ながら一番残念に感じています。

ただバトル周辺は楽しかったんですよね。会話もなかなか面白かったし。

とまぁここまで不満ばっかり続いてきたので、せっかくなのでラストはみんな大好きなこれで締めたいと思います。

神だけに髪が長い